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小学生の頃、なんでも早めにやって起きなさいと言われていた。
宿題や、用事、人から頼まれたことは早めにやっておくことが
美徳とされて、親や先生に褒められた。褒められることで
自分が価値のあるようなことをしたような気持ちになっていた。
大人になり、仕事をし、
私はなんでも早めにやることを心がけた。
取引先からは喜ばれ、評価は上がった。
私はそこに夢中になり、なんでも前倒しでやるようになっていった。
前倒して空いた時間には次の仕事の前倒しが入るようになった。
時間を作るための前倒しだったのに
その時間に仕事を入れるようになっていった。
それが褒められることだと思っていたからだ。
程なくして私は布団から出られなくなった。
今は何も前倒巣ことのない日を送っている。
人生で初めて自分のための時間が今流れている。